桃染蝶

「うん、わかってる
 
 それよりも、カヤちゃん
 本当に大丈夫なのかしら
 
 病院に行く事を何度進めても
 大丈夫だって、全く話を
 聞いてくれなくて
 
 夜中に、ひどく苦しんでる
 みたいだし・・・」

心配な表情で沙織は一夜を
見つめた。

「後で俺から話してみる」

「お願いします」

私は、この腕に庵を抱き
哺乳瓶に入れられたミルク
を飲ませてあげる。

赤ちゃんは、元気に勢いよく
グイグイ飲んでる。

「そうよ、イオリ
 いっぱい飲んで
 元気に大きくなるのよ」

「カヤ
 イオリをずっと抱いてる
 のは疲れるだろう
 この俺が、変わろうか?」

「うん、お願い」