桃染蝶

「アニキ、こんな時に何
 悠長な事言ってる?」

「まあ、見てろって
 
 おもしろいもんが
 見れるから」

「面白い物?」

「ああ

 雑魚は、所詮、雑魚
 言葉ひとつ、腕ひとつで
 何用にでも操る事ができる」

「アニキ?」

一夜は、ある男の前に立つ。

手の甲で唇の端、傷口を
なぞりながら男に詰めよる。

男が殴りかかってくるその手を
掴む、一夜。

近づく距離。

「高月さん、この間はどうも
 アンタ、ワシの忠告も
 聞かんと、ほんま
 死ぬ気でっか?

 もう少しやったのにアンタは
 あほな人や
 
 もう、ワシは知りませんで」