桃染蝶

「どうもこうも、ねえよ
 サオリの子は、俺の子だ
 
 ショウ、おまえが幾ら
 父親面しようと絶対に
 おまえには渡さない」

おまえには渡さない・・・

「はあ」

正二は、深い息を吐く。

「ところで、跡目の話だが
 おまえ等のどっちかで
 決まりだろう」

今、曇ったばかりの正二の顔
から生気が漲る。

憧れ続けていた、ポスト。

そこに、もうすぐ手が届く。

一夜がいなくなることは
寂しいが、今度は自分が
その場所に座る。

『アニキを超える・・・』

野望に胸が高鳴る、正二。

どうしても、高月組二代目に
なりたい。

弟として成さねばならない。