桃染蝶

俺は、沙織の耳元で呟いた。

「俺が死ぬ時は
 一緒に死んでくれ

 先も、後もない、一緒に
 
 残されるのも
 残すのも、辛い」


『いっちゃん』


「一緒に、死んであげる」

口づけを交わす、二人・・・

「サオリ、おまえの腹の子は
 俺の子だ、二人で育てよう」

「イチヤさん

 イチヤ、ありがとう」


ざわつく、会場内・・・

鳩が豆鉄砲を食らったよう顔を
している、高月組の連中。

「アニキ・・・

 正気じゃないだろう?」