桃染蝶

「返事は、今、できない」

「今でなくていい」

おまえは、抱きしめる俺の腕
から逃れようと動いた。

「動くな

 お願いだ、動かないで

 もう少しだけ、このままで」

俺達は、誰もいないビルの屋上
で満天の星に見つめられながら
抱きしめあった。

昔、夏休みに花夜子と一緒
に見た昼ドラマの展開なみ
のストーリー。

義弟の婚約者だった女に
惚れるなんて話、バカバカ
しいと想っていたが、俺は
正気だ。

それから、しばらく経って
沙織から答えを聞いた俺は
高月組の皆に収集をかけた。

ここは、会議室。

急の集まりにざわつくのは
むさ苦しく厳つい男達。