桃染蝶

「嘘、ばっかり

 あの時の私は取り乱して
 恥ずかしい姿をあなたに
 晒した・・・

 かわいそうな女だって 
 想ってるんでしょう?」

おまえは、顔をあげること
なく、俺の腕の中、独り言
を呟くように話す。

「かわいそう、おまえの
 どこが?

 恋愛に、かわいそうも
 くそもないだろう
 
 もう一度だけ言う

 俺なら、おまえの為に
 全てを捨ててやる」

顔をあげた、おまえの瞳に
俺が映る。

「・・・本気、なの?」

「ああ

 おまえが手に入るなら
 
 他に何も要らない」