桃染蝶

「そう、私が死ぬのは
 男に裏切られたから・・・
 
 男のためなんかじゃない

 私一人では、この子を
 育てていく自信が
 どうしても持てなくて
 
 この子を殺さなきゃいけない
 のなら、私も死のう・・・

 この子と一緒なら地獄だって
 きっと楽しいはず」

そう言って、おまえは涙を
浮かべて微笑んでみせた。

美しい、その微笑に俺は一瞬
クラッとなった。

俺の目の前、ビルの先端に
佇む女・・・

おまえは、ショウを想って
死ぬんじゃない。

おまえは、子を想って死を選ぶ

「おまえの考えは、少し
 おかしいが、俺は
 納得してやる」