愛してもいない男と暮らす時間

その瞳に四六時中、監視され
身動きひとつ取れなくて
自由なんてどこにもない。

苦しい・・・

お兄ちゃんに逢いたい。

「店、行くのか?」

鏡台の鏡越し、化粧をする私に
問いかける声。

「ええ、休んでばかり
 いられないもの
 
 ママも心配してる」

「今の店、辞めれば
 
 一等地に新しい店
 出させてやる」

『店のひとつでも
 買ってやろうか?』

「ははっ
 同じ事言うのね・・・」

「どうした
 何、笑ってる?」