両脇に女を侍らせ、バカみたい
に大騒ぎして、高級なお店の
雰囲気が、ぶち壊されてた。

初めて会澤に会った時、彼は
私の瞳を見つめてこう言った。

「おまえの目

 俺がこの世で一番嫌いな
 男に似てる」

辺りはその言葉に静まり返り
お店のママは急いで黒服に
私を席から外すよう言い放った

その場を離れようとした私の手
に触れる感触。

「座れ」

会澤は、おもちゃを手に入れた
ように喜んでた。

二週間程、忙しい日にヘルプで
そのお店に出ていた私に会う為
に、会澤は、わざわざお店に
通って来た。

そして、会澤組の親分さんだと
ママに聞かされた私は、彼が
お兄ちゃんから聞いた、一夜が
最も嫌う男なのだと確信した。