桃染蝶

「そう・・・」

「ああ、女は別だけどな
 
 相変わらず、女だけは
 わんさか侍らせてる 

 それも極上の女ばっかり
 選り取り見取りってか」

「でしょうね・・・」

「カヤコ

 もう過去の事は
 気にするな、忘れろ

 なっ?」

「う、ん・・・」

忘れ、られないよ・・・

忘れていいわけない。

『返して・・・』

芽衣子さんは、こんな私に
一夜を返してくれたけど

最初から、私の元になど

どこにも、一夜はいない。