桃染蝶

「そいつに
 ちゃんと、嫁に貰って貰えよ

 捨てられたら言って来い
 俺が怒鳴り込んでやる」

「何、その言い方
 お父さんみたい、あははは」

「カヤコ、笑うな
 親父?上等じゃん
 
 俺もアニキもおまえの事
 親父には負けねえぐらい
 想ってる

 母さんだって・・・
 心配させんなよ」

「うん」

「そうだ、カヤコ 
 誕生日祝いに店のひとつでも
 買ってやろうか?」

「そう
 お店なら喜んで頂くわ」

「高くつく女」

笑いあう声・・・

こんな風に正二と過ごす日々も
今では当たり前の事で、花夜子
の仕事が終われば二人で夜の
街に繰り出し、休日には正二と
待ち合わせをして出かける事も
増えた。