案内された部屋の中、正二は
手を縛られ、リンチを受け
顔は醜く腫れあがっていた。

「ショウ」

「ア、ニキ

 どうして?」

正二は、血の混じった唾を
床に吐いた。

「アイザワ
 
 これは、どういうことだ」

大嫌いな男を睨みつける一夜。

「こうでもしなきゃ、おまえは
 この俺に会おうとはしない
 だろう?」

会澤の銜えた煙草に瞬時に火を
つける子分。

「俺に会って、どうする?」

「この前も話したが、この街に
 二つの組織は要らない

 なあ、イチヤ
 
 俺と盃を交わす話
 もう一度考え直せや」

蔓延する煙・・・

「無理だ
 
 死んでも、お前と手を組む
 つもりはない」