桃染蝶

いったい何の話を一夜から
聞いてるって言うの。

もしかして、私と仲違い
していること

彼女に話してるの?

その時、洋服を着た一夜が
上着を羽織ながら現れた。

「メイ

 出かけてくる」

「う、うん
 
 いっちゃん
 何かあったの?
 
 大丈夫だよね?」

「ああ、大丈夫だ 
 すぐ戻る

 寝てろ」

貴方の細く長い指先、綺麗な
その手が、メイと言う名の女
の頬に触れる。

私は、呆然と立ち尽くし
アイコンタクトを送る二人
を見つめてるの。

ううん、イチヤ

貴方だけを見つめてるの。