桃染蝶

貴方を見ていたくない。

この時初めて、私はそう
思ったの。

私の瞳に映る貴方の姿を
私は見たくなど無かった。

やっぱり、ここへ来るべき
じゃなかった。

大切なお兄ちゃんを助ける為
だったとしても・・・

やっぱり、キツイ。

相当、応える。

裸身に下着姿、シャツを肩に
かけただけの貴方から漂うは
男の色香。

貴方の体に刻まれた甲羅模様
に、私は迷い込み酔いそう。

その腕に彼女を抱くの?

変な妄想を抱く私は変?

苦しい・・・

私は一夜から視線を逸らした。