桃染蝶

こっそりと二人の後をつけた
事実を一夜に知られてしまう。

だけど・・・

私は、夜更けに思いっきり
扉を叩いた。

トントントン

返答はない。

トントントン・・・

扉越しに花夜子は語りかける。

「イチヤ
 ねえ、居るんでしょう?
 
 私よ、カヤコ
  
 話があるの
 ここを開けて、早く
 お兄ちゃんが・・・」

鍵を開ける音

開かれるドア。

「ショウがどうした?
 
 何があった?」

見たくない・・・