――真裕サイド――
『じゃあまたね、マヒロ』
笑顔でばいばいと手を振ってくれるメイリーに、遠慮がちに頷いて口元を緩めた。
みんなにとても心配かけてるし、こうして毎日来てくれるのは嬉しい。
だけど……。
考え込みながら、もそっと布団から足を出す。
暖房がしっかり効いてはいるものの、やっぱり温かな布団から出るとぶるっと体が震える。
それでもカラカラと窓をゆっくり開け、空を見上げた。
この頃の日課になっている。
人は、死ぬと空に還るというから。
星になる…とも表現するじゃない?
だから、空を眺めてると、かっくんの近くに…少しでも近くに行けるんじゃないかって、思って。
思わず右手を伸ばしてしまう。
ねえ、かっくん…。
あなたは本当に逝ってしまったの?
本当に……あなたはそこにいるの?
もう、会うことはできないの…?
どうして…?
「…真裕、冷えるから閉めなさい」
「……ううん」
「……まったく…」
冷たい風が、頬を切りつける。
背筋を走るしびれるような寒さが、全てを現実だと物語っていた。
―ポン…
あたしの肩にショールをかけた父様は、なにも言わず、ただ、あたしの頭に手を乗せた。

