「え? 真裕の記憶の件でしょ。検査もう終わったんだもんね」
『そうなんですか!』
へえ…終わってたのか。
……まあ今言ってたのはその話じゃないが…それも気になることなのでよしとしよう。
「…で?」
本人がいる以上なんとなく遠慮がちに聞いてしまう。
というか…ここで聞いてもいいのか?
つーかそれ以前に俺達は聞いてもいいのか?
「うん。花梨ちゃんの言う通りだった」
「……」
花梨の……。
そりゃつまり…。
「…やはり、あのときなにかがあったようだ」
ガラッと口調も声色も表情も、なにもかもが真裕のアホな父から世界の誰もが知る藤峰洋平のものに変わった。
「真裕、お前も聞きなさいよ。自分のことなんだから」
「……あたまいたくなるからいやだ」
「それでもだ。それを治すためなんだからな」
淡々と、背を向ける真裕に声をかけながらソファにどかっと腰を下ろす。
俺達はそんな親父さんを目で追った。
「…まあ、聞けとは言っても、大したことは何一つわかっていない。重要なことはすべて、お前の心の奥底にしまわれているのだからな」
「……」
「ただな。やはりそれは思い出さねばならない」
…そうだ。
あの夢の話が本当なら。
…これは、ひょっとしたら相当に大きな陰謀が隠れている、ただの爆破事件ではなくなるかもしれない。

