な…に…?

なに、今の……夢?


「おい…大丈夫か? どうしたんだ?」


おろおろしながら背中を摩り摩り聞いてくる父様を見上げた。


「真裕?」



『真裕…』



「かっく…ん…」


「…え?」


今の…かっくん…。

…夢、か…。


なんでだろう。

なんだかすごく…怖かった。

言いようのない恐怖を感じた。

あれが夢?

すごく…リアルな…。


「真っ青じゃないか。先生を呼ぶか?」


「…いい…。夢…だから…」


ゆっくりと首を左右に振りながら断り、起こしてもらっていた体をまたベッドに沈めた。


人に会いたくない。

眠っていたいの。

ただ…眠ってたい。


「…それ…取って」


「あ、ああ…」


渋々といった表情で父様が渡してくれたのは、先生からもらってる睡眠薬。

これがないと眠れない。だけどずっと眠っていたい。