僅かに頷いたのを確認して、食事のトレーを持って病室を出た。


「あ、まおパパ。これどう?」


「へ?」


「やっぱりどうしてもこれは外せないと思うんですけど」


「だからそれはいらないって何度言ったら…」


「あたしの気が済まないの!」


花梨ちゃんに蓮二くんではないか。

なんだその手に持ってるのは…。


ロビーに出るなりつかまった私は、きょとんと二人を見比べる。

真裕のお友達……さすが、面白いね。


「あ、これお見舞いなんですけどいいですかね?」


「いいんじゃない?」


「じゃ、渡してきますね❤」


「うんありがとお」


…気になるな。

さらっと流したけど実は気になるな。

…果物の山はいいとして。

それはいいとしても…だぞ?

かごにぶらさがってたあの袋はなんだろう…。

気のせいじゃなきゃ…私の気のせいじゃなきゃ…。


「あめちゃん?」


……まさかね。

うん。まさかね。

確かにうちの娘、あめだま好きだけどね。

そんなわけないよね。うん。


『……せんせえうちの娘、あめちゃん舐めていいの?』


『はあ?』