ちょっとだけちくんって傷ついた私だったが、まあ食べてくれるだけよしとしよう。

これで少しはまた回復も早くなるだろう。


…精神的に完全にやられてるだけに、身体を支えなければ本当にこの子は死んでしまう。

なんとしても回復させなければならない。


「車いす借りて、ちょっと外散歩しようか」


―ぶんぶん


「で…でも外の空気吸ったら気分いい(かも)よ?」


「…寒いし」


「…それもそうだ」


真冬だったそういえば。

いつの間にか……新年も越していたしな。


大きな事故…いや、事件だったのと、やはり真裕達が巻き込まれたということが大きく、未だにテレビを付ければあの事件のことばかりを取り上げている。


ヒマなの?

世の中そんっなに平和なの?


…ってそう言いたくなるようなそんな感じ。


「もういらない」


「え、もう? …ん、まあいいか」


おかゆ数口食べただけだけど、まあ進歩だ。

それに急に食べても、胃がびっくりしちゃうもんね。


「じゃ下げてもらおう。お前はもう休みなさい」


言うまでもなく横になり、そっぽを向いていた真裕。

その背中が、今にも遠くに行ってしまいそうで。

目を離すのが怖かった。


「…今日、検査だからな」


「……」