秘密のMelo♪y⑤*NY編*


「あたしの…バイオリン、どこ?」


「あー……まおそれはな…」


「…そう」


「あ、いや…まだ何も言って…」


「もういい」


「……そうか」


…そっか。

バイオリンも……あたしのバイオリンも、なくなっちゃったんだ。

先生のも全部なくなっちゃった。

もう……あたし、バイオリンやめたほうがいいのかな…?

もしかしてもうするなっていうことなのかもしれない。

ことごとく楽器はなくなって。

公演のために来た先でこんなことになって。


バイオリン……するなって、ことなのかもしれないな…。



『あ…っ、じ、時間だな…俺らもう帰らないと!』

『そうね。マヒロ、早くよくなるように祈ってるわ』

『バァイ』

『ゆっくり休んでね』


「じゃあ僕らも…」

「そやね」

「じゃあね、まお…」


最初にアッシュが言いだしたかと思うと、続々と手を振ってみんなが出て行った。


…気を、遣わせてる。

ごめんねみんな…。


でも無理なの。

何もできない。

何も考えられない。

思い出すのは……かっくんのことだけ――……。