思い出して、ただ泣いた。

かっくんがいない。

もう、いない。

そんな実感の湧かない事実と共に、のしかかる現実。


どうしていいか分からなかった。


「うっ…っ…!」


枕に顔をうずめ、声を押し殺して涙を流した。


かっくん…かっくん、嘘でしょ?

嘘…なんでしょ…?

あたしがいつもわがままばっかり言うから、こらしめようとしてるだけなんでしょ?

ねえ、すぐに会えるよね…。



かっくん――……。




『かっくん…!』


『バーカお前なにしてんだよ…』


『えー…だってー』


『ったく…』


『ふふ…』


『くぉらなにがおかしい』


『ごめんなさーい!』



「か…っくん…!」


いやだよ…いやだよ。

ねえ、言ったじゃない。

あたしが泣いてたら……涙を拭きに飛んでくるって。

どうして、来てくれないの…?


かっくん――……。