秘密のMelo♪y⑤*NY編*


『…残念ですが』


…くそ…っ!!


なぜ!

なぜ真裕がこんなにもすべてを失わなければならない!

この子が……何をしたというんだ…。


仮眠をとっていたソファから真裕のベッドへと歩み寄り、静かに頭を撫でた。


こんなに素直で愛らしい子が、なぜこんな目に遭う?

頼むよ…真琴。

もう真裕を泣かせたりはしない。

困らせたりはしない。

だから…頼むから、楓くんを真裕に返してやってくれ…!


「…ん……か…くん……ど、こ…?」


「…! 真裕…?」


「か…っくん…」


「真裕……」


寝言…だった。

とても苦しそうな、寂しそうな声。

伝った一筋の涙。


それを聞き…それを見て、押しつぶされそうなほどに胸が痛んだ。


「……真裕…ごめんな…」


…真琴が死んだ時以来に。

真裕の手を握って涙を流した。


「ごめんな…真裕…」


守ってやれなくて、ごめんな。

俺はお前の親父なのに……今まで一度も、守ってやれたことがない。

だから真琴は、俺に背を向けて……彼を連れて行ってしまったのかもしれない…。