『マヒロ…!』


カタカタと体を震わせるメイリーに、同じく青ざめた二人が寄り添う。

背中を冷たいものが流れるのが分かった。


『早く…行かないと!』


『ニューヨーク行の便はないかもしれねェぞ』


『行く!』


『しかし…』


『飛行機がなきゃミスターノギに頼むわ!』


『落ち着け! マヒロは向こうに自家用機が降りられるところがないから普通の飛行機で行ったんだろうが!』


『っ…』


気持ちは分かる。

俺だって今にも駆け出したい気分だ。


『……行く手は…あるぜ…』


『! アッシュ!』


『一番近い空港まで行って、そっからは新幹線でも乗り継げばいい』


『それよ!』


『…分かった。待ってろ』


四人を残し、足早に部屋を出た。

飛行機の手配と、そこからニューヨークへの手立てだ。


そりゃああいつらだって分かってるだろうぜ。

行ったところでどうにもならない。

万が一の……最悪の可能性だってあるかもしれねェ。

ただ、じっとしていられないんだろう。


幸い本来行く予定だったからよかった。

そうでなきゃ、急遽ニューヨークには行けなかったからな。