―――…… 『奇跡は起こって初めて“奇跡”』 誰かがそんなことを言っていたような気がする。 あたしはそれを、すごく信じたかった。 世の中そんなことだってあるよ。 そう思いたかった。 そしてその“奇跡”はあたしのもとに歩み寄って来てくれた。 どうかこれが、形となってくれますように…。 そう祈って、それに必死で手を伸ばしたんだ。 ―掴める。 やっと掴める。 そんなところまできた。 ……はず、だった。 「か……くん…?」