秘密のMelo♪y⑤*NY編*


…焦るな。

早まるな。


徐々にスピードを増す心拍を抑えようと静かに深呼吸をするも、落ち着くことを知らない。

続く言葉が怖かった。


「俺さあ、楓くん一目惚れだったんだよ。もう、真裕にはこの男しかいないって思ったっていうか?」


『……は?』


「したらやっぱ超お似合いじゃん? もう結婚させちゃいたいくらいだったわけ!」


『させたじゃん……っていうか誰がそんな馴れ初め話を話せと…』


「だからもう俺どおしよおって思ってさあ!」


『なにをよっ。てかそれもうどうでもいいから、用事は!?』


明らかに期待に満ちた目で詰め寄るメイリー。


あの期待は俺達全員のもの。

それに、応えてくれるんだろか。


この人の返答を待った。



…と、途端穏やかな顔つきになって…安心したような目で。

そう。

親の顔…とでもいうんだろうか。


そんな言葉がぴったりな表情で、親父さんは言った。



「…彼は真裕を置いて逝くような、そんな男じゃない」



『…!』

『!?』

『!!』

『っ…!』



「…そんな男じゃ、なかったよ」



『カエデ……!』