考えすぎかもしれない。

だけど可能性としては十分ありうる話だ。


なにがおかしいって、人がいなかったかもしれないというところが一番おかしい。

誰かが仕組みでもしなきゃあ…そんなことは絶対にない。


それに。


「…真緒ちゃんがいた場所は、爆発物ととても近かったという話だ」


…これは…偶然か?


近くに人がいなくて。

楓でも真緒ちゃんでもない誰か…第三者が、ただ一人だけ存在した可能性がある。


なにか…作為的なものを感じるのは、僕だけだろうか。


「大きな音って、どんな音だった?」


「分からないわよ。でも、あんまりよく聞くような感じじゃなかったわね」


「そうか…」


考えすぎ……なら、いいんだが…。


「お前頭ええからっていっつもいっつも考えすぎなんやて。もっと楽に生きィな」


「君みたいに単純じゃないだけさ」


「単純やとコラ」


…でもまあ、確かにそうだ。

たまに思うよ。

そんな風に生きられたらいいのに…って。


「お前のいいとこでもあるね」


「単純がか!? 褒めとんかバカにしとんかどっちやねんっ」


いつもの調子で咬みついてきた修平に苦笑いを返した。


しかし翌日、事態は急展開を迎える。