は……。


「はやくゆいなさいそおゆうことは」


「何度も言った」


「聞いてないぞぉぉっ」


ぶんぶんぶんっとかぶりを振りながら抗議するけれど、真裕の中ではもうこの話題は終わっていた。


「のどかわいた」


「聞けおんどれΣ」


まったく…。

しよーのない娘だなっ。

誰に似たんだか…ふっ。


『しよーのないのはパパだわよΣ』


『むっ。つまり真裕は私に似たと?』


『そおです』


ふむ…。

そおか…。


「だからこんなに可愛いのかぁぁ~~~っ!」


―ぴーっ


「坂本さんヘンな人いれちゃだめでしょ。早く追い出して」


『かっ、かしこまりましたっ…』


かしこまらないでさかもっちゃん!?

私君の主人の父だよ!?

追い出すのねえ、追い出すの?


ハラハラしていた私、間もなくやってきたさかもっちゃんに追い出された。


「申し訳ありません旦那様…」


「ふっ…」