―――……


「すごおい」


中に入ったあたしは、思わず漏らしていた。

間取りどころか、家具からなにからぜーんぶ一緒なんだもの。

本当に、本邸をきゅっと縮めたみたいな。


「縮めなくたって十分すぎだわよ…」


「……悪趣味」


「悪趣味って言うなよΣ」


だって。

まったく一緒って……ねえ?

どうせ父様なんでしょこれ。


「あっ…お嬢様、お持ちいたします」


「え? あ、ありがとう」


きょときょと周りを見渡すあたしの手に持たれているバッグを、半ば奪い取るように受け取った。


「ちょっと気が利かないわね男達」


『そおよそおよっ。マヒロは怪我してるんだからもっと早く気付きなさいよっ』


『うるしゃあわっΣお前ら人のこと言えた立場か!』


「で? 琥珀達はどこ?」


「お部屋で待っていますわ。お嬢様にお会いできなくて寂しそうでしたわよ」


わあ…。

会えるんだ!

本当に会えるんだ、琥珀達に…。


「ありがとう坂本さん」


「いいえ! 私はなにも…」


ううん…本当にありがとう。