差し出されたのは、なんか…箱。

シンプルだけどなんとなーく怪しげな箱。

両手に入るほどの大きさだ。


「開けてみる?」


「う、うん…」


まだ手が不自由なあたしに代わって、包装紙をといていくしゅっちゃん。

びりびりに破くあたしとは違って結構慎重だ。


「箱超シンプルやな」


独り言のように言いながら開けると…。


「…は?」


「なになにどーしたの?」


「…それは…」


「…?」


興味本位で覗き込んだりんりんと蓮くん。

連くんは一言呟いたっきり黙り込む。


「……マトリョーシカ式だねぇ…」


ま…まと…?

な、なにそれ?


「ほら、あるやんどっかの国の人形でさ、パカッて開いても中にまたおんなじ人形があるやつ」


「ふーん…?」


あったっけ、そんなの…?

いや、ぶっちゃけ知らないかも…。


「ただのいたずらとちゃうやろな…」


ブツブツ言いながら、ちっさい箱を開けては取り出し、開けては取り出しを繰りかえるしゅっちゃん。

やがて。


「お」