まあ、気にするなという方が無理だ。
確かに彼も…!
時々落ち込んじゃうくらい毒舌だけど。
ああ見えて実は結構奥手だけど。
だけど本当に男として、義息子だけど尊敬してしまう。
それだけいい男なんだよ彼は。
人として、男として、義息子として、私は彼を愛していた。
真裕は……私の何倍も何十倍も。
計り知れないほどに、彼を愛している。
切なさだけが胸を包んだ。
私も真琴を失った。
最愛の人を失う気持ちはよく分かるつもりだ。
それがまして…我が子のこととなると、自分のことより胸が痛い。
真裕がこうして落ち込んでいる姿を見るのも。
つらそうなのに、涙すら見せない姿を見るのも。
時折空を見上げる顔が、今にも消えそうな儚い色をしているのも。
すべてが、私の心に傷をつけていく。
「…父様」
「え? お、おお。なんだ?」
「……のど渇いた。ジュース」
「ジュースね、オレンジジュースでいい?」
「うん」
「そんじゃ待ってなさい」
まったくまったく。
考えごとに耽っている場合ではなかったなっ。
私、これを機にちゃんと父親らしいことしてあげようと思うんだ。
…まあパシリと言わなくもないような気もするけど。
すたこらと病室を出て、ふと気づいた。
「……あいつ…」

