秘密のMelo♪y⑤*NY編*


ちょっとだけ顔もうろ覚えな秘書さんを憐れみながら、ぼーっと外を見つめた。

もう何日……こうして、同じ景色を眺めてるだろう。




―コンコン




『しっつれいしま~す』


「お?」


あ…。

メイリーだ。…あれ、一人…?


ノックに振り返ると、妙に明るい声と共にメイリーが入ってきた。

でも、その後には誰も続かない。

いつもは絶対五人で来るのに……どうしたのかな?


『あ、シュン達なら遅れてくるそうよ。…あれ、なにしてるのパパ』


『ちょおどいいところにっっ! 君梨切れる!? てか皮剥ける!?』


『えっ…は、はあまあ…そのくらいなら…』


『じゃ、頼むっ』


『へ?』


ぽかんとするメイリーに、かごから梨を一つ取って押し付ける父様。

よく理解してなさそうな表情をしながらも、果物ナイフの置いてあるテーブルへと歩み寄るメイリーに、「ごめんね」と日本語で謝った。


『ううんいいのよ。…でもパパ面白いわね』


…どこが。

あんなののどこが。

一緒に住んでみたら、面倒なだけよ。

母様がいた頃も、毎日のように母様に抱きついては踏み倒されてたの。

そんでしくしく泣きながらあたしに抱きつこうとする。

だけど母様が「あたしのまおになんてことするの!」なんて、りんりんみたいなこと言ってあたしを後ろに隠すの。

それはそれはかわいそうな扱いを受けてたわよ。