秘密のMelo♪y⑤*NY編*


心底心配そうに気遣ってくれる父様に返事をし、カーディガンを肩に羽織った。

特に冷えるわけじゃないけど、体を冷やすとよくないから…。


「もう昼だが、腹は空かんか」


「別に」


「食え」


「いや」


「……」


「……」


「……梨たべる?」


「…たべる」


父様だって、あたしと一緒で包丁なんて持ったこともないし、厨房に足を踏み入れたことすらない。

うちでは唯一母様が少しできるくらいだったんだよ。

それでも坂本さんやシェフが作ってくれてたけどね。


「皮のほうが分厚くなってもいい?」


「ダメ」


「……じゃあ皮ごと食べてくれる?」


「いや」


「……じゃどーしろってんだい」


知らないそんなの。

見栄張らなきゃいいんだよ…いらないっていうのに。


「…もういいから、お仕事行きなよ」


「仕事はだいじょおぶさっ。秘書に押し付けっ……任せてあるからな!」


「……」


…かわいそ秘書さん。

あの人凄く優秀なんだけど、そのぶん損してるんだよね。