―――……
『何も考えずに、思ったことをそのまま言ってください』
『はあ…』
『あなたは、どこにいたのですか?』
『空港…』
『周りに、誰がいましたか?』
『主人が…』
『他には?』
『……分から…ない…。誰か…黒い…』
『そうですか。もういいですよ』
はー…。なんか緊張した…。
一気にどわっと肩の力が抜けたよ。
ふーっと息を吐きながら、身体をベッドに沈める。
翌日あたしは、早速なんとか治療を受けていた。
まるで催眠術みたいな。
『今日はここまでにしておきましょう。最初ですしね』
『はい。ありがとうございました』
『いえ…本当に、大変でしたね…』
『…まあ、生きていればなんでもあるものですからね』
『それはそうですが…』
ぼそぼそと出入り口付近で話し込む、先生と父様。
ごろごろしながら視線だけで二人を見やった。
『では、また明日に』
『よろしくお願いします』
しばらく話してから、先生はお辞儀をして出て行った。
「体は大丈夫かまお?」
「うん」

