「春斗兄ちゃんは、うちらのこと思ってくれてたじゃん!!反省してんじゃん!!なんで許してあげようって思わないわけ!?そんなお兄ちゃんうちはいらない!!」
「大体兄ちゃんは勝手なんだよ。俺らがどんだけ苦労したか分かってんのか!?癒恋だって見てただろ!!お母さんがどれだけ苦しんでたか。近所になんていろいろ言われてたか!!」
「でもっ…」
そのとき、兄ちゃんが癒恋の口をふさいだ。
「癒恋、ごめんな。タツヤ。お前…」
俺の前に手を出した。俺は歯を食いしばった。
「ごめんな。お前本当にお母さんたちが苦しんでるとこ見たんだよな。俺のせいで…こんなんになっちまって…本当にごめん…ごめん…っなあ…」
涙をぼろぼろ流しながら、俺の頬に手を添える。
兄ちゃんの手は暖かかった。

癒恋も泣き出した。
そして、俺も泣き出した。
久しぶりに兄弟3人がそろった時間だった。