一通り翔希に兄ちゃんのことを話すと
「大変だったんですね。」
と一言いってそれからはなにも口に出さなかった。

捨ててしまわなければいけないと分かっていても
絶対に捨てることができない
1枚の紙切れ。

「俺が一緒についていてあげるから、もう1度春斗さんの部屋に入ってみる??」
翔希が俺の顔を覗き込む。
1人で無理なら2人でか…
「翔希がいいなら、俺はそうしたい」
全然おっけーとグーを出す翔希。

俺は廊下を歩いてドアを開けた。
そして、春斗兄ちゃんの部屋へ1歩
足を踏み入れた。