麻川くんはあのとき絶対怒っていた。
あああもう、どうしよ。
もう一か八か。

【ごめん:今日、会える?話があるんだけど…何時からでもいいから。会える時間教えて】
返信こないな
やっぱり怒ってるんだよね、
最悪だよ本当
~♪~♪~♪
【無題:今から無理?俺ん家こい】
短い。あああああああああ
行くの怖い

歩いて数分、麻川くんの家に着いた。
ピンポーン

『はい』
「あのっ、皆川です」
『鍵あいてるから俺の部屋きて』

何回も入った、麻川くん家だけど
いつもと少し雰囲気が違う。
麻川くんの部屋に入ると、麻川くんはマンガを片手にベッドで寝転がっていた。
「話ってなに?」
いつもと全然違う麻川くん。
これが麻川くんの本当の姿?今までのは嘘だったの…?

「あのね、今日本当は用事なんてなかったの。」
「うん、で?」
怖い。怖い。
「宮澤さんに、別れさせてやるって言われて、怖くなって。他の女子の目も怖くて。もうイヤで、でも別れたくなくて…うっ・・・私はっ麻川くんのこと好きだし・・・っ宮澤さんになんて・・・負け・・・たくないっし、」
麻川くんの顔はさっきの顔と違った。
「そうだったの?」
急に麻川くんの顔が笑った。そして、ぎゅーってしてきた。