「今、タツヤ笑わなかった?」
「うん・・・笑ったよね。」
「えっ麻川くんが笑った?!」
じーっと私のほうを見つめる麻川くん。
すごくすごく可愛かった。
「リ・・・ン・・・?」
声はあまり出ていなかったけど
口がパクパク動いているのが分かった。
私のことを覚えていてくれた。
それだけのことですごく嬉しくなった。
自然と涙がでてきた。
「そうだよ・・・私のこと分かるの?麻川くん・・・」
口はあまり動いてなかったけど、目が笑っていた。
がんばって顔を動かそうとしているのに、顔が動かない。
「大丈夫、いいたいことは分かったよ。私のこと覚えていてくれたんだね。ありがとう。」
涙がどんどんあふれ出てくる。
「リン、じゃあ私たち帰ってるね。」
笑ってメイたちとバイバイした。