麻川くんは家に帰ってコンビニに行く途中、車に轢かれたという。
トラックに轢かれたということもあって、かなりの重症。
顔の半分は包帯で巻かれていて、鼻には管が通っている。
酸素マスクもしていて・・・

こんな麻川くん見たくないよ・・・

やっと気付いた。
私は麻川くんが好きなんだ。
なのに、なんで気付かなかったんだ・・・
私は麻川くんよりバカだったんだ・・・
人を好きだというのに、好きだといえなかった。
心の中ではもう分かっていた。
でも、認めたくなかった。

「麻川くん・・・生きて・・・」
そう言って、手を握る。
「麻川くん・・・麻川くん・・・っ」
私の目から数え切れないほどの涙が出た。
「10年後に会おうって約束したじゃんっ!!あと2年なんだよっ!!生きてよっ麻川くん!!」
麻川くんは目を覚ましてくれない。