「お兄ちゃん・・・・・・・・・・・・だから、ずっと待ってる。」
風の音で聞こえなかった。
「あっお母さん!!」
まだ一緒にいたかった。
ずっとリンナちゃんの横顔を見ていたかった。
でももうバイバイしなくちゃいけないんだね。
「あら、あなたが一緒にいてくれたの?ありがとう。」
リンナちゃんのお母さんが言う。
イヤだ。まだ一緒にいたい。
リンナちゃん…
「お兄ちゃん、またね!!」
“また会える日“は来るのだろうか。
「おぅ、10年後な。またな!!」


俺の初恋はずっと続いていた。
今リンナちゃんはどうしているだろう?
でも、次第に名前を忘れていき、顔も忘れてしまった。

高校を入学したとき、一目惚れをした。
それが皆川リンナだった。
彼女を見ていると、なにか大切なことを思い出しそうな気がした。
なにかを思い出さなくちゃいけないような気がした。

それは、こうゆうことだったのか。