私が学校でいつもどおり過ごしていると
先生が私のところに駆け寄ってきた。

「リンナさんのお母さんってなにか体に悪いところある?」
真剣な表情だった。
「あり…ます。どうかしたんですか?」
「落ち着いて聞くのよ。」
嫌な予感がした。
「お母さんが倒れたそうよ。今お父さんから連絡があったの。今すぐ帰る準備して!!」
私は泣いてしまった。
お母さんが倒れた?
昨日まであんなに元気だったのに?
一週間後、退院出来たのに・・・
なんで、なんで倒れた・・・
「リンナさん!!あんたが泣いてちゃしょうがないでしょ!!早くしなさい!!」
帰る準備をして、すぐに自転車に乗って家に向かった。
家にはおばあちゃんがいて、おばあちゃんと一緒に病院へ向かった。

お母さんの病室では、お母さんは白目を向いて、酸素マスクをして、鼻に管を通していた。
すごく、苦しそうだった。
後から聞いた話によると、お母さんは一回呼吸が止まっていたらしい。心臓も。
今の状態が続いてもお母さんの意識は戻らない。

でも『低体温治療』という治療を使えば
意識が戻るか、死ぬか、どっちかになるらしい。
賭けるか、賭けないか。
お父さんは真剣に悩んでいた。