取扱説明書


「遅れてすみませーん」
走って戻っていくとさっきの1年生が
黙ってこっちを見てすぐに視線をずらした。
水を待っていた部員に渡すと
「マネ希望の2人大丈夫?なんかおかしいけど」
私は今ここであの2人のことを言ってはいけない気がした。
「大丈夫ですよー」
「そっかじゃっ水サンキュッ」
部員を見送りベンチで座っていたら
ハードルを取りに行くよう頼まれた。
3つもつのが限界だが5つ頼まれたので
1年生に持たせることにした。
「1年生ーハードル2つ持ってきて~」
3つのハードルを重そうに持っていたら
「これってぇそんなに重いんですかぁ?」
「もしだったら持ちましょうかぁ?」
そんなイヤミを言ってきた。