「まだ、売っていない下着を身に着けれるなんて…嬉しいな・・・それも、渚君の会社の商品を」

那岐は優越感に浸り、口許を綻ばせながら独り言を呟く。

正直、俺は父さんの会社を継ぎたくなかった。

大体、わが社の主力商品は女性の肌着なんだから・・・

会議でも、どうすれば、女性の小さなの胸を大きく見せられるとか…そんなコトばかり真面目に議論している。

男の俺にしてみれば、小さい胸を下着で大きく見せるなんて…詐欺だろうが。

「何色から着けよう・・・」

那岐は七色の『天使の下着』を眺めて、真剣に悩む。


そんな彼女の表情に胸がドキンと跳ね上がる。

俺を捨てた鷹栖の娘である那岐。彼女に復讐してやろうと思ったが、いつの間にその復讐心は別の感情にすり替わっていた。