「色はどれにしますか?奥様」

平井さんは那岐からスリーサイズを訊き出し、『エンジェルの下着』のモニター用のランジェリーを取り寄せた。

「このピンクも可愛い、水色もいいなぁ~」

「社長代理はどれがいいですか?」

応接のローテーブルに並べられたランジェリーはピンク、ブルー、パープル、イエロー、赤に黒、そして白と七色あった。

「俺は仕事してるんだ。那岐お前が好きな色、選べばいい・・」

「じゃ全部」

「はぁ?」

「七色あるから・・・毎日日替わり可能ですよ」

「じゃ全部、差し上げます。奥様。その代り、キチンとこのアンケートに記入お願いします」

平井さんは那岐にアンケート用紙を渡した。

「新商品『エンジェルの下着』はまだ・・・市場には出てない商品なんですよね・・・渚君」

「そうだ。だから・・・他の誰にも内緒だ。いいな。那岐」

「はい」

「お前って、口が軽そうだから…すぐに誰かに言いそうに気がして、仕方がないけど・・・」

「大丈夫です」

「念の為・・・平井さん、コイツに一筆書かせておけっ」

「わかりました・・・」