校内にチャイムが響く。

「私…やっぱり自習でも・・・教室に戻ります」

私の体内に危険を知らせるアラームが鳴り響く。

「どうして?」

「白石君、今貴方はオオカミになっています!!このままでは私の貞操が・・・」

「とっくに氷室先輩に奪われてるクセに…勿体ぶんなよ!」

「達生!!」

渚様がガラリと扉を開けて、中に入って来た。

「氷室先輩!!?」

「お前・・・那岐をどうするつもりだ?」

「・・・別に・・・彼女、俺に相談があるみたいで・・・」

渚様は白石君のネクタイを掴んだ。

「嘘を付くなっ!ここに連れ込んで…お前の魂胆は見え見えなんだ・・・」

「白石君は嘘ついていませんよ。私…生徒会のコトについて、彼に相談があって・・・」

「・・・」

渚様は白石君のネクタイを手を離し、私に向かって盛大な溜息を吐いた。

「相談があるなら、この俺にすればいいだろ?」

「渚様は凄く忙しそうだから・・・」

「忙しいけど・・・お前の相談訊く時間ぐらいは作ってやる・・・まぁ、今は無理だけど・・・まぁ、いい・・・俺と一緒に来いよ」

渚様は私の手を掴んで、ソファから立ち上がらせた。