「白石君の彼女?」

「別に・・・モデル志望の女の子だよ・・・ウチの父親は芸能界じゃ顔が利くんだ。だから、芸能界入りを目指す女の子たちが寄って来る・・・」

「ふうん・・・そうなんだ」

「俺はそんな女の子達のお手伝いしてあげているんだ・・・」

「凄いですね・・・」

「凄い?」

白石君は目を円くした。

「女の子達の夢を叶えるお手伝いしているんでしょ?白石君は・・・」

「あ・・・そうだけど・・・でも、俺はその見返りに色々と貰ってるから・・・」

「でも、凄いです。感動します!!」

「オーバーだね・・・那岐ちゃん」
白石君の方がバツの悪そうな表情になって、グーズグレーの瞳には困惑の色が見えた。
二人で会話を楽しんでいると、校内には次の授業開始のチャイムが響いた。

「タイムアウトだな。君の話訊くのは、次の休み時間でいい?」

「はい」

「じゃ教室に戻ろうか?」

「はい」