『生徒会』のマスコットとなった私は何をすればいいのか悩み、休み時間、D組の白石君の教室を訊ねる。

「白石君?あ…階段の踊り場かな??」

クラスの女子に訊くと、白石君は階段の踊り場に行ったらしい。

白石君の姿を発見したが、一人ではなく、女子生徒と一緒に居た。彼女の背中を防火扉に押し付けて、何やら親密な雰囲気で、今にもキスしそうな近さ。

あれって、所謂壁ドンの応用系。

「白石君、お取込み中、すいません・・・」

「・・・」

白石君は参ったように長い前髪を掻き上げて、私の方を振り返った。
女子生徒には思いっきり、睨まれる始末で。

「どうしたの?那岐ちゃん」

「折り入って、生徒会についてご相談が・・・」

「・・・いいけど・・・じゃまた教室で・・・」

白石君は甘やか笑みで彼女に投げる。

彼女は白石君には微笑み返し、私を鋭い視線で一瞥すると教室に帰って行った。