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「お帰りなさいませ、渚様、那岐様。お二人の愛息の智樹様は無事に退院して、リビングでお待ちです」

「中田お前なぁー・・・」

俺が中田に文句を言おうとしたしたら、那岐が俺の右手で掴んでリビングに直行した。

「智ちゃん!!」

バンと勢いよくドアを開けて、那岐は智樹君の姿を探す。

智樹君は中田と同様、長年氷室家に仕えるメイド長の柏木さんが抱っこしていた。

「パパとママがかえってきましたでちゅよ」
柏木さんは赤ちゃん言葉で智樹君に語りかけた。

「智ちゃん、げんきでちゅか?びょういんこわかったでしょ?よくがんばりましたね・・・ママうれちぃですよ」


那岐まで赤ちゃん言葉に使う。

俺も赤ちゃん言葉で話しかけないといけないのか?


俺が黙って二人の様子を見ていると、那岐が智樹君を抱っこして俺の方に寄って来た。

赤ちゃんを間近で見るのは初めてかもしれない・・・

「智ちゃん、新しいパパでちゅよ」

勝手に中田に、婚姻届けを提出され、同時に養子縁組まで組まされ、強引にパパにされただけ。
18歳でまさか、結婚してもれなく赤ちゃんまでおまけについてくるなんて、マジであり得ない。
俺の思考は今の状況に全くついてこれなかった。