「・・・」



伊集院先輩は私に手をヒラヒラさせて優雅に教室を出て行った。



「…伊集院先輩…」


沢渡さんの瞳がトロンと蕩けていた。



「どうしたの?沢渡さん…」


私は彼女の肩を揺さぶり正気に戻させる。



「…止めてよ…氷室さん」



「だって…何だか…異世界にトリップしてたように見えたから…」


「私は伊集院先輩に見惚れたの…」



「何!?沢渡さんは…伊集院先輩が好きなの?」



「…まぁ…でも…高嶺の花よ…彼のお父さんは総理だもん」



「掃除?」


「掃除じゃなくて総理大臣よ!」


「嘘っ!?」


伊集院先輩のお父さんって総理大臣なの!?…


やっぱり、この学園は少し違うーーー・・・