「お前は俺と同じように父親を亡くした。それは同情してやる。
その上、お前は俺と同じ年で、会社社長に就任した。守らなくてはいけないモノが沢山ある。
でも・・・俺たちに強要するな。俺にだって、敦司にだってやらなくていけないコトが沢山あるんだ。俺はお前たちを敦司から引き離す役目を担っている」


「圭吾・・・」


「那岐ちゃんは…特に辛い立場だと思う。渚お前は親友の敦司を取るか、妻の那岐ちゃんを取るか…選択を迫られているんだよ」


「・・・」


「俺は図書館に行って、勉強する」

諏訪部先輩は踵を返して生徒会室を出て行った。

「俺は部外者みたいだから…行くね。また・・・氷室先輩」

白石君も出て行った。

私と渚君の二人だけが残されてしまった。

5人で奥のダイニングテーブルを囲んでランチしていた時がとても昔に思える。

まだ・・・3ヵ月しか経っていないのに。